舞洲から大阪のスポーツを盛り上げる!〜プロ3チームスタッフ対談〜

それぞれに聞いてみたい質問

選手のメディア対応教育をどうしているか(オリックス・小浜氏)

小浜:チームからなのか、リーグからなのか、連盟からなのかわかりませんが、選手のメディア対応についての教育システムはありますか?

 

:Bリーグとしての研修を全所属選手で開幕前に実施しました。あとは広報担当が日々やっています。取材前には注意事項やポイントを含めて伝達しています。クラブ主催で講師を呼んでSNS研修も行っています。

 

片倉:Jリーグは新人研修が毎年ありまして、僕も今年初めて参加させてもらったんですけど、2泊3日で静岡にJリーグの高卒・大卒選手を全員集めて行われます。そこで色々な研修をさせるんです。その一つとして、メディア研修がありまして。それとは別にクラブとしては年に1回、もしくは2年に1回ほどの頻度で講師の方を呼んで、SNS研修などもしていますね。

 

小浜:野球も新人研修というのは1日使ってやっていて、色々な講師や先輩OBも呼んでいるのですが、そこまで具体的なメディア研修となると実はあまりやっていなくて。一方で他の競技の人は上手にメディアの質問に答えるな、というのは常々思っていました。だから、しっかりとそういう指導をされているんだろうなと。野球ってまあまあ野放しで、中にはめちゃくちゃなヒーローインタビューする人もいますからね(笑)それはそれで話題になるので良いんですけど、もう少しちゃんと対応できたら良いなと思うところはあります。

 

他の2球団にも試合を観に来てもらいたい(エヴェッサ・城氏)

:聞きたいことではないのですが…僕はそれぞれの試合にお邪魔しているんですけど、お二人はあまり来てくれないですよね(笑)

 

片倉:僕行ってますよ!本当に好きですよ!

 

小浜:開幕行きましたよ。僕赤いTシャツもらって着てました。

 

片倉:でもたしかに1回くらいしか行ってない(笑)

 

:私は昨日オリックスさんの試合に行かせてもらいました。8回の裏くらいからですけど(笑)そういう交流も選手も含めて、さらにできればと思いますね。

 

小浜:エヴェッサさんの試合でびっくりしたのが、試合中の音響の音が大きいことです。あれはエンターテイメントですよね。あの環境で選手は良くできるなというのは思いました。見ている側は面白いですけどね。

 

:そういうものだと分かっている方と、びっくりされる方といますね。僕らとしては室内競技であるメリットを最大限生かしているというか。プロジェクションマッピングをはじめ、まだそんなに他のBリーグのクラブも手掛けていないことをやっているのでぜひ来ていただきたいです。

 

スタッフと選手の距離感の考え方(セレッソ・片倉氏)

片倉:広報の仕事をやっている時に頭を悩まされるのが、選手とのコミュニケーションのところです。色んな意味で取材を調整していくのが大変で。お二人は選手との距離はどれくらいですか?かなり近いのか、ビジネスとして完全に割り切ってやっているのか、というところは興味があります。

 

小浜:僕は3年広報としてチームに帯同していましたが全く同じ悩みを持っていました。選手は活躍すればするほどいろいろなことをやりたがらなくなるというか、そういう性格の人はたくさんいるので。そこで僕がしたのはNoと言わせない環境を普段から作ることです。具体的には取材がよく入る何人かのレギュラー選手、看板選手のためには業務以外でもいろいろと骨を折ってあげること。例えばキャンプには家族が来るし、シーズン中もお客さんが選手個人に来たりするので、そこで汗をかいてあげるんです。その代わりに取材などがある時にはちょっとお願いあるんだけど、と。

あとはチームに入ってきて間もないうちに、取材対応する機会を作る。こいつ伸びそうだな、芽があるなと思ったら、そういう機会を多めに入れるんです。あるいはファンサービスの機会を作って、サインするのはプロ野球選手にとっては当たり前のことなんだよと、早い段階で植え付けてしまうのです。その意識がないままスターになったら一番厄介なので。今振り返るとめちゃくちゃだったと思うんですけど、例えば広報の時に黒門市場に若いピッチャー5人を連れて、地元民と交流させたことがありました。

その中にはこの間侍ジャパンに行った平野(佳寿)や小松(聖・現2軍投手コーチ)など、若い将来性のある選手や実績ある選手がいました。まだ当時は球団も大阪に来たばかりだったので、挨拶がてら連れていきました(笑)うなぎ屋さんで飯を食べさせて、マスコットと一緒にユニフォームを着て、大阪の皆さんと触れ合う機会を作ったんです。

その時の選手たちは、そこから“自分たちも大阪に浸透していくために何かしないといけない”という意識を持ってくれるようになったと思います。だから若い選手が入ってきた時にはわざとそういう機会を作る。レギュラーになったらできないことを若いうちにさせてしまうということです。そして恩を売ること(笑)やっぱり嫁さんや子供のアテンドを一生懸命してあげたら、絶対にNoは出ないですよ。

 

:私は正直選手とは遠いんですよ。直接何かをお願いするというのは基本的になくて、マネージャーや広報担当と一緒にやるという感じです。ただ、マネージャーを通すとワンステップ増えるので意図が伝わりにくいこともあるかもしれませんね。だから、子供たちが待っているとか、何のためにどんな主旨でということを伝えたうえでそういうことをやってもらわないといけないのかな、と思います。

 

片倉:僕はメディアから取材依頼が来たら、基本は断りたくないんですよ。できるなら全部受けたいというスタンスでした。その中で自分のやり方を考えさせられる出来事がありました。

年末の選手がオフの期間の時のことです。12月にリーグ戦が終わるので、1月の中旬くらいまで選手はオフなんですけど、その期間に山口選手に取材を受けて欲しいという話をしていました。それを柿谷選手が見ていて、「片倉さんは蛍のこと全然分かってないですね」と言われた時に、はっと思って。同じようなことが今年の宮崎キャンプでもあって、柿谷選手から「ちょっと取材調整の時には選手のことも考えたほうが良いですよ」と。もちろん仕事として、広報部として、メディアとの橋渡しをするのはすごく大事なことなんですけど、その前にいち人間だからもっと気遣ったほうが良いのかな、と今はすごく思っていますね。どちらかというと僕はメディア側の立場なんですよ。それを選手も分かっていて。最初はそれでいいかなと思っていたんですけど、直接そう選手から言われると考えてしまいます。

 

小浜:僕も同じような経験をしたことが広報時代にあるんですけど、基本は「だったらプロと名乗らないでくれ」ということになりますね。嫌なら実業団でサラリーマンと同じ給料で野球してくださいという話ですよ。それだけのサラリーをもらえるからこそのプロなんだから、メディア対応するのは当たり前です。イベントに参加するのも、取材を受けるのもそうですが、高いサラリーを払っている意味を考えてほしい。まあそのことを本人に言ったら喧嘩になるので言いませんが(笑)

 

片倉:選手もある程度分かっているんですよね。それは柿谷選手も言っていました。「俺らも分かっていますよ。代表に選ばれたし、取材も多くなる。そこで俺らが話してセレッソを盛り上げていくべきだというのは分かっている。でもそういう気持ちを持っていることを広報部の人もちゃんと理解してほしい」と話をされて。そういう言葉は刺さりますよね。

 

後進の育成、地域密着、ブームを作る。これからの3人の目標

小浜:僕と同じようにユニフォームを脱いでチームに残る後輩には自分のできることというか、偉そうにアドバイスではないですが、その子たちがしっかりと一人前になって、球団の中で働けるようにしてあげたいなというのは率直に思います。現役上がってからのほうが当たり前ですけど人生は長いので、そこで間違えないようにしてあげられるようなことをできればなと。

あとはせっかくこうやって大阪市も含めて皆さんと一緒に仕事ができるので、これをチャンスと考え、いろいろな形で発展していき、共に大阪のスポーツを盛り上げていくというのを目標にしたいです。

 

:私はホームタウン活動をしているわけですが、まだまだエヴェッサは大阪での認知はこれからです。それは地域の皆さんがエヴェッサを絶対応援しようというところまでいけていないからだと思います。例えば西九条駅に行った時に、ブースターのみなさんがユニフォームを着ているかというと、そういうこともまだないわけで。街中でも試合があるとセレッソさんやオリックスさんのユニフォームを着たりしているのは見かけるじゃないですか。でもエヴェッサのユニフォームを着ている人はいないですよね。

だからまずは街の人たちみなさんに応援してもらえるようにしたいです。ホームタウン活動がそういうことにつながっていけば良いですね。

 

片倉:セレッソ大阪はJリーグで一番応援しがいのあるチームという話をさせて頂きました。本気でそれくらいのポテンシャルは持っているチームだと思います。ただ、それが実際に観客動員数や成績に現れているかというとまだそんなこともなくて。こんなに魅力的なチームの情報を発信できるのはクラブの中では広報部だけなので、早くセレッソバブルを起こして天下が取れるように情報を発信していきたいというのが今の目標です。

 

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