異なるチーム間での大型移籍!?舞洲で行われたエイプリルフール企画の裏側

様々な企業や団体がその日限りのオリジナル企画を出してネット上を盛り上げるエイプリルフール。毎年、「どこのどういう企画が話題になったか」というのがニュースになるが、今年の4月1日、かなりの話題をさらった企画があった。

 

それが、舞洲プロジェクトに参画する3チームが共同で行った「移籍報道」だ。企画自体もそうだが、異なる競技の3チームが共に取り組むという、これまでに無かったオリジナリティも合わさりSNS上での反響がとても大きかった。

 

 

 

いったいこの企画は、どのような経緯で生まれたのか?舞洲プロジェクトに関わる4者(大阪市、大阪エヴェッサ、オリックス・バファローズ、セレッソ大阪)にその“裏側”を聞いた。

 

最初の案は“ユニフォーム交換”

もともとこのエイプリルフール企画の根底にあったのが、「舞洲プロジェクトをどう盛り上げ上げるか」というところだった。大阪市経済戦略局スポーツ部の西口耕一さんは語る。

 

「舞洲プロジェクトをより知ってもらうために、何か面白いことをできないかと思ったのがそもそものきっかけです。予定していたイベントが一つ中止になってしまったので、その分、何か企画ができないかと2月に話していました。その中で動画やポスターを作った面白い企画ができたらいいね、という話が出て、チームと大阪市でプレゼン大会をしましょうという流れになりました。プレゼン大会は3月に行って、そこででてきた案なんです」

 

ここのプロモーション案において大阪市側は特に制限をかけず、幅広い案をチーム側に求めたという。その中で上がったのがweb上での拡散が見込まれる話題性の強い動画と、オフラインでの認知度を高めるためのポスター制作ということであった。そして、今回のエイプリルフール企画に動き出すきっかけとなったのがオリックス側の出した案であった。

 

「プレゼン大会でオリックスさんがいくつか提案された中に、このメインのビジュアルであるポスターにも書かれている『たまには他のスポーツもええんちゃう』という、他のスポーツを見に行くことを促す言葉に関連して “ユニフォームを交換する”という案が出てきたんです。」(西口さん)

 

そして、この“ユニフォーム交換”の理由付けを考えている中、移籍による別チームのユニフォーム着用というアイディアに至る。

 

「交換するにあたって、なぜ交換するのかをみんなで考えた時に、移籍会見したことにしましょうと。じゃあそれをネタにしようということになりました。」エヴェッサの木田奈都子さん(営業部宣伝担当)はこう振り返ったが、その中でエイプリルフールに“乗っかる”という決定打を出したのがセレッソの長谷川顕さん(事業部ホームタウングループ長)だった。

 

「ユニフォームを交換するというのはすごく良い話だと思ったのですが、ちょうど3月の上旬頃だったので、それだったらエイプリルフールに乗っかった話題にすれば面白いかな?と思ったんです。そこから短期間でいろいろな部署と調整して、スケジュールやシナリオを進めていったという感じです。一気にパワーをかけて進めていって、良いものができました。」(長谷川さん)

セレッソ大阪・長谷川さん

こうして、前述していた動画とポスターを使ったプロモーションに合わせ、エイプリルフールに3チームが共同で“移籍リリース”を出すことが決まった。企画の決定から実施まではわずか3週間ほど。しかし、大阪市ならびに各チームがスムーズに連携を取り、見事実施に至った。

 

3選手の中で最も“ノリノリ”だったのは…

移籍リリースをするとなった中、次に上がった課題は「誰を出すか」というところ。これについてはオリックスの動きが鍵となった。オリックス・後藤俊一さん(企画事業部 宣伝グループ長)はこう言う。

 

「3チームの選手が連携して何かをやるということはなかなかないですし、どうせやるならマスコミの皆さんに話題にしてほしかった。なので、ピッチャーなら金子千尋選手、野手ならT-岡田選手ということで進めていた中、金子選手に話を持っていったところ、『OKです。自分はサッカーが良い』と言ってきたんです(笑)。彼はサッカーが好きで、リフティングも上手なんです。ノリノリでやってくれましたよ。実は先にやらなければいけない撮影があったのですが、それよりも本人が先にこれをやりたいと。」

 

本人への確認と社内での調整済ませ、セレッソ大阪の“金子千尋ユニ”を準備。そして撮影までと、非常に動きが早かった。ちなみに、金子選手は自身が契約しているスポーツメーカーへ発注をし、サッカースパイクを用意したのだと言う。

日本球界を代表する選手のこの協力も大きかったといえるだろう。

 

そして、この人選について、「金子選手が出るという話をうちの事業部に伝えたら、『嘘やろ!?』と驚きの声が上がりました(笑)。」とセレッソ・長谷川さんは驚きを隠せなかったようだ。

 

金子選手がサッカー好きという観点でいうと、エヴェッサ側から選ばれた橋本拓哉選手もそれに近いものがある。彼は野球経験があり、全国大会で準優勝、選抜で優勝したことがあるのだ。

「橋本選手は幼稚園年長〜中学1年生まで野球をやっていたこともあって、彼も気合十分で撮影に臨んでくれました。」(木田さん)

 

そして、セレッソから選ばれたのはチームの顔でもある柿谷曜一朗選手だ。

「僕らは日本代表の杉本健勇選手とか、山口蛍選手も考えていたんですけど、広報といろいろ調整をして、選手の兼ね合いもあって柿谷曜一朗選手にしようとなりました。彼もユニフォームを着させた時には喜んでいましたし、それを着てロッカーでずっとうろうろしていました。見せびらかしたかったんじゃないですかね(笑)。やはりアスリートは他競技にも興味があるんじゃないかと思いましたね。」(セレッソ・長谷川さん)